放射性元素(U,Pu)の原子力利用上の性質 纏め


235U (uranium-235)

天然uraniumの0.7%を構成する。屡々、「uranium濃縮」で235Uの濃度を上げて利用される。

減損(劣化)uranium (濃縮度:~0.7%)
  • 軽水炉の核燃料としては利用できない。
  • 熱中性子炉で燃やした核燃料(使用済み核燃料)に含まれる。
天然uranium (濃縮度:0.7%)
  • 軽水炉では反応を持続させるのに不十分で、濃縮が必要。
  • 重水炉では使用できる。(重水という優れた減速材を用いているため、核分裂反応を起こしやすい。)
  • 密度が高い金属のため、重りや劣化uranium弾などに利用される。
低濃縮uranium (濃縮度:0.7%~20%)
  • 原子炉の核燃料として利用される。軽水炉で核分裂を継続させるには、濃縮度2%~5%程度が必要。
高濃縮uranium (濃縮度:20%~)
  • 原子力空母や原子力潜水艦などで利用され、原子炉稼動期間が長く燃料交換が不要。
  • 原子爆弾で利用されている。爆発的な核分裂反応を起こすには濃度90%以上が必要。Little Boy(広島型原爆)の核燃料に用いられた。

238U (uranium-238)

天然uraniumの99.3%を構成する。
中性子の捕獲率が高く、235Uの核分裂反応を妨げる。uranium濃縮の残滓。
一般の原子炉(熱中性子をぶつける方法)では、核分裂反応が殆ど発生しないため使えないが、高速中性子をぶつけると核分裂反応が起こる。
核燃料サイクル「238U+中性子 ⇒ 239U ⇒(β-崩壊)⇒ 239Np ⇒(β-崩壊)⇒ 239Pu」によって核燃料239Puを産み出すのが高速増殖炉。

238Pu (plutonium-238)

放射性崩壊の殆どがα崩壊。宇宙探査機や心臓ペースメーカー等の原子力電池に利用される。

239Pu (plutonium-239)

自然には殆ど存在しないが、原子炉で238Uが中性子を吸収することで副産物として作られる。
原子爆弾と原子炉燃料に用いられる。原子爆弾には239Puの濃度が90%以上のプルトニウムが必要。Fat Man(長崎型原爆)の核燃料に用いられた。

240Pu (plutonium-240)

239Puが中性子捕獲すると62%~73%は核分裂を起こし、残りが240Puに変化する。
軽水炉の使用済み核燃料には20%~30%含まれいる。
核兵器に於いては、できるだけ少ないほうがよい。

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