中国機へのスクランブル7月以降急増

日本の領空を侵犯するおそれがあるとして、航空自衛隊の戦闘機が外国の航空機に対して行う、「スクランブル」=緊急発進は、尖閣諸島の国有化への動きが表面化したことし7月以降、中国機に対するものが急増していることが、防衛省のまとめで分かりました。
防衛省は、外国の航空機に対し、航空自衛隊の戦闘機が行った「スクランブル」=緊急発進について、3か月ごとにその数を発表しています。
それによりますと、ことし4月からの半年間に行った緊急発進は合わせて209回と、去年の同じ時期を6回上回り、この10年で最も多くなりました。
このうち最も多くを占めたのはロシア機で134回となり、去年の同じ時期と比べて26%増加しました。
一方、中国機はこの半年に69回と、去年の同じ時期と比べて17%減っていますが、今年4月から6月までが15回と去年より44%減ったのに、日本政府による尖閣諸島の国有化への動きが表面化した7月以降は54回と、前の3か月の3.6倍となり、尖閣諸島を巡り日中関係が悪化してから急増していることが分かりました。
防衛省によりますと、中国機は、日本の防空識別圏を越えて北や西の方向から接近し、尖閣諸島から200キロほどで引き返すコースをとることが多いということです。
また、哨戒機や情報収集機などが目立つということで、自衛隊などについての情報収集を強化しているものとみられます。
中国機に対する「スクランブル」=緊急発進が、ここ数年増えていることについて、自衛隊トップの岩崎茂統合幕僚長は、18日の記者会見で、「数だけでは計れない部分もあるが、中国海軍の艦艇と同じように、中国の軍用機もここ数年、東シナ海での活動を活発化させていると言える。中長期的な観点で傾向を読み、多角的に分析して、警戒監視に役立てることが重要だ」と述べました。

南西の部隊で回数増える

航空自衛隊は日本周辺の空を、全国に28か所あるレーダーサイトなどで監視しています。
国籍不明機が日本の防空識別圏を越えて接近し、領空を侵犯するおそれがあると判断した場合、各基地から速やかに戦闘機を発進させます。
これが「スクランブル」=緊急発進です。
各基地ではパイロットが、命令から5分以内に離陸できるよう、24時間態勢で待機しています。
上空では、発見した不明機に近づいて国籍などを確認するとともに、その後の動きを監視し、領空を侵犯した場合は外に出るよう警告を行います。
航空自衛隊には、大きく分けて北部、中部、西部、南西の4つの部隊があり、冷戦時代は、北海道周辺などを担当し、旧ソビエトに近かった北部が、緊急発進の中心でした。
ところが最近は、沖縄周辺を担当する南西航空混成団の回数が増えていて、平成20年度に42回だったのが、21年度は101回、22年度は115回、昨年度は166回となっています。
このため航空自衛隊は、那覇基地の戦闘機を、3年前、旧式のF4から、主力のF15に交代させるなど、態勢の強化を図っています。

防衛省中国側の動きを監視

中国機に対する「スクランブル」は、この5年では、平成20年度が31回、21年度が38回だったのに、22年度になると96回、さらに昨年度は156回と、この1、2年で急増しています。
今年度も、当初は減少傾向だったものの、7月以降は急増していて、防衛省が国籍別に統計を取り始めた平成13年度以降最多となった、昨年度のペースに近づきつつあります。
このうち去年3月には、中国海軍のY8型機2機が、北から日本周辺の上空に入り、領空を侵犯することはなかったものの、尖閣諸島の北およそ60キロまで接近しました。
また、その1か月後には東シナ海で、中国国家海洋局所属の航空機が、海上自衛隊の護衛艦に対しおよそ90メートルの距離まで接近し、日本政府が中国側に「危険な行為だ」として抗議しています。
このケースで緊急発進はありませんでしたが、中国国家海洋局は、このところ尖閣諸島の周辺海域に海洋監視船を派遣している中国政府の組織です。
南西諸島周辺では16日、中国海軍の7隻の艦艇が、沖縄県先島諸島の与那国島と西表島の間の海域で、領海のすぐ外側にある接続水域を初めて航行するなどしているため、防衛省は中国側の動きについて監視を続けています。

“中国 通信やレーダーに関する情報収集か”

航空自衛隊で航空支援集団司令官を務めた永岩俊道元空将は、「中国は、太平洋地域で自由に行動できるようにするという長期目標を持っているので、この地域で活動している自衛隊やアメリカ軍に高い関心を持っているはずで、通信やレーダーに関する情報を集めるために、中国機の活動が活発化しているとみられる」と指摘しています。
また、尖閣諸島の国有化への動きが表面化したことし7月以降、中国機に対する緊急発進が急増したことについては、「中国の動向は数か月というより、数年の単位で分析する必要がある。ただ、尖閣諸島は中国にとって極めて関心の高い問題になっているので、パトロールや偵察を行っていると考えられる」と指摘しています。
そのうえで永岩元空将は、「中国の指導部が軍の現場レベルまでしっかり管理できず、現場で偶発的に衝突が起きてしまう可能性も否定できない。それを防ぐために、日中間で意思疎通を図れる複数のチャンネルを築くことが必要だ」と話しています。

出典:NHKニュース(10月18日 18時50分)中国機へのスクランブル7月以降急増

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">