探検バクモン拡大スペシャル「いじめ×爆笑問題」

NHK 探検バクモン拡大スペシャル「いじめ×爆笑問題」を観た。
探検場所は、東京シューレ葛飾中学校。不登校の子供達の為のフリースクールである。校長は奥地圭子さん。

シューレでは、教員のことを「スタッフ」と呼び、職員室も「スタッフルーム」、校長室は「奥地ルーム」と呼んでいる。教員の呼び方は「さん」付けで、上下関係を作らないようにしているという。
奥地校長は「シューレの様な学校が多くなると良い」という話をされていたが、私はこのような学校は養護学校のように特別なものであるべきだと思う。

◆「いじめ撲滅」は大人のエゴ

番組で紹介された、シューレや他国でのイジメ防止為の取り組みには、甚だおかしいものがあった。

シューレの個室トイレは、扉の上に隙間が無い。これは雑巾等を投げ込まれるイジメを予防したもので、シューレの生徒達の提案らしい。しかし、この対策は飽くまでイジメの発生する隙を埋めただけで、根本的な対策にはなっていない。本当にしなければならない対策は、子供に対する人間教育だ。
米国のある学校では、イジメを無くす為に休み時間を減らしているという。イジメを見たくないが為に人間同士の交流を奪うとは、本末転倒だ。
韓国のある学校にはイジメを告発する為の報告ポストが設置してある。イジメを告発した生徒は表彰され、「善い行い」として点数化し評価されるという。
点数を稼ぐ為にイジメの発生をでっち上げる生徒が出てきそうだなと思った。

これらのイジメ対策は”臭い物に蓋”をしているだけで、道徳的に正しい対策ではない。学校がこの様な間違った施策をする理由は、イジメという醜い現象から目を背け、都合の良い世界に入り浸りたいという大人の堕落した欲求を押し付けられている事だろう。「いじめ撲滅」は大人のエゴに過ないという事なのだ。

◆自殺するのは宗教思想

討論会で、シューレの生徒が「自殺するなというなら、自殺しない方法教えてよ」と言っていた。
自殺することは、イジメからの逃げ道にはならない。何故なら、そもそも自殺すると意識が無くなるからだ。いじめられて自殺するのは「死んでも意識は不滅だ」という宗教的信仰から起因しているのだと思う。

◆全体の感想

・東京シューレ葛飾中学校の紹介は興味深かった。

・絵本「わたしのせいじゃない」の粗筋を紹介するシーンがあったが、この物語の結末を見せる場面で意味不明な演出があった。「そしてこの物語の結末は・・・」というナレーションに続いて流されたのは、絵本の内容ではなく、3枚の白黒写真(きのこ雲、アフリカの難民、少年兵)だった。そこで唐突に絵本の紹介シーンは終わった。
この演出は放送倫理上問題のあるものだ。

討論会のテーマは「いじめの正体とは何か」だったが、深い議論にはなっていなかった。まじめに議論するなら、タレントなんかではなく教育学者や心理学者などの専門家を集めるべきだ。

今回のいじめ特集は、いじめ報道ブームに便乗した、いじめ問題を食い物にした様な番組だと感じた。

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